やっと確定申告も終わり、抱えていた大きな案件が2,3終わって、一息です。
ゴールデンウイークまでは、のんびり過ごしたい・・・。
しかし、今日の午後には、次の仕事がやってきます。難しいものです。
そんなひとときの休息にはチーズケーキを焼きましょう。
長女(+次男)とチーズケーキづくりをしました。
最近、長女は私の指示なくどんどん作業を進めていくようになりました。
驚きです。
さて本題です。
事案概要
特定口座で米国株式を取得しました。
①証券口座で米ドルを10,000円分(TTS100円×100$)取得して、
②その翌日に特定口座で米国株式AをTTS101円×100$で取得しました。
そして、
③1週間後に米国株AをTTB110円×100$で売却して、
即日、
④特定口座以内で米国株BをTTS111円×100$で取得しました。
質問
①で私が支払ったお金は10,000円(TTS100円×100$)です。
そして、
②で米国株式Aを取得した時点の米ドルの時価は10,100円(TTS101円×100$)です。
この時点で②10,100円-①10,000円=為替差損益100円が発生しています。
この為替差損益100円は雑所得になるでしょうか?
(この為替差損益は特定口座の申告不要制度の対象にできますか?)
これが為替差損益になるのであれば、私が、米国株式を取得するたびに雑所得が発生し続けることになります。
(確定申告が大変になるなあ・・・と不安です。)
他にも質問をしたいのですが、それは、後日と致します。
回答
為替差損益100円は雑所得になります。
1日の差で、ごくごくわずかな為替差損益が発生しているだけなので無視していいんじゃない??とお感じになる方も多いと思います。
確かに「わずか1日・・・」、
こんな時には、
所得税法基本通達57の3―2注で
「本邦通貨により外国通貨を購入し直ちに資産を取得し若しくは発生させる場合の当該資産、又は外国通貨による借入金に係る当該外国通貨を直ちに売却して本邦通貨を受け入れる場合の当該借入金については、現にその支出し、又は受け入れた本邦通貨の額をその円換算額とすることができる。」
という通達を使って
『10,000円(TTS100円×100$)で米国株式Aを取得したとみなし、為替差損益は発生していない』と主張できるのでは・・・と思いますが、これはできません。
理由は、特定口座側にあります。
特定口座側は、多くの場合、有価証券の取得を取得日のTTSで強制的に換算してしまいます。
つまり、特定口座側では機械的に10,100円(TTS101円×100$)で米国株式の取得価額の計算を行ってしまいますので、個人側で勝手に10,000円(TTS100円×100$)で計算をやり直すということはできません。
結果、①と②の差額である為替差損益は自動的に確定してしまうのです。
ちなみに、この為替差損益には『特定口座の申告不要制度』の適用はありません。
特定口座の申告不要制度は、株式の譲渡に関する特例であって為替差損益には及んでいないからです。
特定口座内での米国株式の取引量が増えれば、為替差損益も自動的に発生してしまうことになります。
注意が必要です。
~本日のまとめ~
特定口座で米国株式取引を行う場合、取得価額が当日のTTSで強制換算されてしまうので、当該換算値と実際の米ドルの取得価額に差があるときは為替差損益が発生してしまう。
この為替差損益には「特定口座の申告不要制度」の適用はない。
執筆 公認会計士・米国公認会計士・税理士 金田 充弘