娘の誕生日にケーキを作りました。
ご希望は、お父さんの手作りケーキでかつ桃ケーキとのこと。
ご希望にそえたでしょうか?
この日だけは、一日予定を入れず、ケーキ作りに集中(夢中)。
お客様にはご迷惑をおかけしました。
さて、本題です。
Q:私は会社役員(個人事業主と読み替えても大丈夫です)です。会社の事業で3億円の借り入れをしており、その連帯保証人になっています。最近、娘が「お父さんは3億円の借金の連帯債務を背負っているのでしょう。お父さんが死んだら、私はお父さんの相続を放棄するわ。お父さんは私に何も残せないわね。」と言い出しました。
娘に何かを残す方法はありませんか?
A:娘様が債務を嫌って相続の放棄をされる場合に「娘様に何か残せないか?」というご質問ですね。
私の業務の範疇でお勧めできるとすれば、詐害行為にならない程度に
①民事信託を使って預金を残す
②生命保険を使って定期預金類似物を娘様に残す
③生前贈与を行う
といった方法はお勧めできるような気がします。
①民事信託を使えば「一定の預貯金を信頼できる方(受託者)に預ける」ことで、「ご自身から財産を切り離す」ことができます。切り離した財産は、仮に、あなたが破産されても取り上げられることはありません。
さらに受託者に預け、切り離した財産を「娘のために使ってくれるように契約で約束」させれば、この預貯金は「娘様だけのために使われる」ことになります。
信託契約を使って、ご自身から切り離された財産は、相続とは関係がないところで権利関係が決まってきますので、娘様が相続放棄しても、この預金は娘様のためだけに使われます。
受託者はご身内(例えば、奥様)で大丈夫です。
くれぐれもご自身の財産と区別して管理をされてください。分別管理の徹底が必要です。
②生命保険の保険金も、生命保険の約款で権利関係が決まってきますので、娘様が相続を放棄しても、ちゃんと娘様に渡ります。例えば、定期預金や投資信託に類似した生命保険(終身保険や養老保険、年金保険のようなもの)に入り、受取人を娘様にします。仮に、皆さんが他界された後、娘様が相続放棄をしても、財産はちゃんと娘様のものになります。
③生前贈与については説明の必要はないでしょう。省略します。
①~③について共通して言えることですが、詐害行為にならないように、事業が病める時も健やかなる時も、少額を長期継続して積み立てていきましょう。
すべては可愛い娘様のためです。
余談にはなりますが、可愛い娘とはいっても自社株を生前贈与するのはおやめください。
事業を承継される方にとっては甚だ迷惑になります!
私も気を付けます!
執筆:公認会計士・米国公認会計士・税理士 金田 充弘