確定申告が終わりました。
今年も、いろいろと勉強させられる2ヵ月となりました。
途中、監査のお手伝いにも行き、金融機関の貸出先の査定(正常!とか破たん懸念!とか決める監査です)も久しぶりに行ってきました。
監査は、コミュニケーション能力が問われるのですが、時には、コミュニケーションに失敗(?)し、恫喝めいた発言を受けることもあります。そういった時には、もっと上手に伝えればよかった・・・と反省することもあります。
さて、本題です。
土地建物を売却した際に買った時の値段が分からなくて所得税が計算できない・・・ということはしばしば起こります。
取得費不明の場合、概算取得費を使わざるを得ず譲渡所得税の申告で多額の納税を余儀なくされます。
なんとしても、取得費を調査する必要があります。
いくつか方法があります。
①土地建物取得時の預金通帳を探す
②購入資金の抵当権設定に関する情報を入手するため登記簿謄本を取得する
③抵当権を設定している金融機関に、当時の貸出稟議に土地建物の売買金額の記載がないか質問する
④家計簿・日記をチェックする
⑤不動産会社に当時の相場を質問する
⑥購入時のことを知る親戚を探し、質問する
⑦前所有者へいくらで売買したか質問する
⑧当時の販売広告を探す(近隣住民と一緒に購入している場合には、近隣住民に質問)
⑨買換している場合には、税務署へ申告内容の開示請求をする
⑩やむを得ない場合は、土地の時価の変動率の調査を行い当時の売買価額を推測する
市街地価格指数
路線価変動率
公示価格・基準地価格の変動率
固定資産税評価額の変動率
鑑定士に変動率に関する意見書をもらう等々
自分のお勧めは、③金融機関への質問です。
抵当権の抹消までは融資稟議が保管されている可能性があり、過去の経験上、高確率で取得費に関する証拠が出てきます。
まずは、お気軽に金融機関に問い合わせてみてください。
追記
旧所有者様に聞きに行く!もお勧めです。かなり勇気がいりますが・・・。
大事な書類は捨てづらいものです。
こちらになくても、先方には保管があるかもしれませんよ!
執筆:公認会計士・米国公認会計士・税理士 金田充弘